“やぶち”の漢字の書き方と例文
語句割合
藪地100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渋沢の藪地やぶちでバッタリと、袴様にあったと思ったら、あの騒動で見失ってしまい、仰天して後を追っかけると、藪を出たところに無数の足跡、爪先ばかりで歩いているので
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
つらつら感じることのあったとみえて範綱は、ふたたび世間へ帰ろうとはせず、髪を下ろして、院の裏にあたるわずかな藪地やぶちひらいて草庵をむすび、名も、観真かんしんとあらためていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜ動かないんだろう? 道でも間違ったんじゃアないかしら? ……いったいここはどこなんだろう? ああ蓮華寺れんげじの裏手だよ、名高い渋沢の藪地やぶち前! えらい所へ来てしまった。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところでこの頃島原城之介、どこを走っていたかというに、蓮華寺れんげじの背後藪地やぶちの前を、例ののように白々と、月光を浴びて走っていた。と、スタスタとうしろから、追いせまって来る足音がした。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)