“みなみさく”の漢字の書き方と例文
語句割合
南佐久100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
南佐久みなみさくの村々の間をはじめの一時間ばかりは何事もなく千曲川に沿ってゆくだけだが、そのうち川辺の風景が少しずつ変ってきて、白楊はこやなぎかばの木など多くなり
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
遠く蓼科たでしなの山つづきの見える窓のところへ行って、そこから信州南佐久みなみさくの奥のほうの高原地なぞを望むたびに、わたしはようやくのことで静かに勉強のできるいなかに
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
若い二人は人目も恥ぢずに手を取つて泣いた。それを見て人々は笑つた。南佐久みなみさくの奥の方の話だ。小母さんはいそがしい手間で、門口に張物をして居るお島に田舎らしい話をして聞かせた。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
信濃しなのの一部だけ見て、これが山国全体の姿だと思われてもこまる。それには、どうしても千曲川の上流について、南佐久みなみさくの地方へはいってみないとわからないというのが、このかわずでした。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)