“ほんいつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
奔逸90.0%
奔溢10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の魂の過去への物持ちが奔逸ほんいつな現実的な近代主義に打克つことができなかった。理想主義が伝統に敗れたとき彼の理智が無記銘な現在から彼の生命を奪ってしまった。
地図に出てくる男女 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
然るに今日において、未だ男子の奔逸ほんいつばくするの縄は得ずして、先ずこの良家の婦女子をいざのうて有形の文明に入らしめんとす、果たして危険なかるべきや。きょを移すという。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
うず高に水を盛り上げてる天神川は、盛んに濁水を両岸に奔溢ほんいつさしている。薄暗く曇った夕暮の底に、濁水の溢れ落つる白泡が、夢かのようにぼんやり見渡される。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)