“はたごせん”の漢字の書き方と例文
語句割合
旅籠銭100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筑波つくばの脱走者、浮浪の徒というふうに、世間の風評のみをに受けた地方人民の中には、実際に浪士の一行を迎えて見て旅籠銭はたごせん一人前弁当用共にお定めの二百五十文ずつ払って通るのを意外とした。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
持ちあわせの小遣こづかいも尽きて、もう一晩の旅籠銭はたごせんさえなくなったため、まだヨロつく足をこらえ、時々、渋るように痛む腹をおさえて、青い顔をしながら宿を出た姿は、笑止でもあるが
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だからといって、もっと滅茶苦茶にしていいという法はない。江戸へ着くまでのあいだに、よく考えておくがいいよ。……なあに、途中の小遣こづかいや旅籠銭はたごせんぐらいは、何も返してくれとは、いいはしないから」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)