“ねばねば”の漢字の書き方と例文
語句割合
粘々100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのきれいな貝殻は、見すぼらしい粘々ねばねばした動物の家だ。お伽話の中の妖精も、こんなにきれいなものは持つてゐない。まあ、なんてきれいなものだらう!
三日、四日と少しは慣れたものの、腹に一物も無くなつては、「考へて見れば目的めあての無い旅だ!」と言つた様な、朦乎ぼんやりした悲哀かなしみが、粘々ねばねばした唾と共に湧いた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
粘々ねばねばとして、弾力を持った、暖かい彼女の舌が、さぞ醜くいであろう傷の上を、引ずるように、過ぎる度に、黒吉の昂ぶった神経は、ズーン、ズーンと半身を駈下って、足元に衝突した。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)