“たちものいた”の漢字の書き方と例文
語句割合
裁物板100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
清三の母親は裁物板たちものいたに向かってまだせっせっと賃仕事をしていた。茶を入れてもらってまた一時間ぐらい話した。語っても語ってもつきないのは若い人々の思いであった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「私は子がないので真実ほんとうにつまらない。」お庄と二人で裁物板たちものいたに坐っている時、叔母は気がふさいで来るとしみじみ言い出した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それが透けて見える深い軒先に近く叔母さんの形見の裁物板たちものいたも取出してあつた。復たお節は自分の縫物に取掛つた。お栄も側へ来て、姉妹きやうだい一緒に暮せる日数の段々少くなつた話などをした。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)