“せきうんりゅう”の漢字の書き方と例文
語句割合
夕雲流100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕雲流せきうんりゅうの剣のごとく、また、今見る顔のごとく、この人の心もこんなに冷たいのかしら? ……と思ってみると、その動かない顔の鼻柱のわきを、ポロポロと流れてきた涙のすじ
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はて? ……法月弦之丞と申せば、わしが江戸表にいた当時は、まだ十四、五の美少年で、夕雲流せきうんりゅうの塾へ通っていた大番組おおばんぐみの子息——。どうしてそれが、娘の千絵を存じているのであろう」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ウム、その心は過分である。いずれ周馬の手紙には、深い魂胆があり、企らみがあるものとは拙者も察しているが、この弦之丞の眼からみれば、およそは多寡たかの知れたあの三人……あはははは、久しく試みぬ夕雲流せきうんりゅう、場合によっては——」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)