“こうもりやす”の漢字の書き方と例文
語句割合
蝙蝠安100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしは本所の寿座ことぶきざで、家橘の与三郎、源之助のおとみ、伝五郎の蝙蝠安こうもりやすを見たことがあるが、いわゆる持味で、与三郎の体に持っている自然の柔かみには他人の企て及ばないところがあった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
松助のやる蝙蝠安こうもりやすのような、変に気取った声色こわいろをして、襖をもう二三寸あけました。そうすると、お銀様の部屋の行燈あんどんの光で、忍んで来た奴の正面半身が見えました。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかし相手の方もだんだんその事情を知って来たので、この頃では以前のように此の攘夷家をあまり恐れないようになった。いわゆる攘夷家も蝙蝠安こうもりやすや与三郎と同格に認められるようになって来た。
半七捕物帳:40 異人の首 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)