“いぬぼう”の漢字の書き方と例文
語句割合
犬吠100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この古ぼけた洋館を宿にしたいなんていうのは、まことに微妙なことでして……こちらのご長女さまが、犬吠いぬぼうのサナトリウムにいるご長男の附添いで行っていられて
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「先生だそうです。」帳場で多分私のことだろう、女将おかみに告げている番頭の声がきこえた。私は宿屋のどてらに着換えて散歩に出た。犬吠いぬぼう岬の灯台を仰いでから、映画館に入った。
遁走 (新字新仮名) / 小山清(著)
しかし、これを裏へ出れば屏風びょうぶうらとなり、遠からずして犬吠いぬぼうさきがあり、銚子の港がある。銚子の港の前面には、利根の長江がさえぎっているから、まさかそれをよこぎるほどのことはあるまい。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)