“あじらん”のいろいろな漢字の書き方と例文

(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。

成程（なるほど）二階の亜字欄（あじらん）の外には、見慣ない樹木が枝を張った上に、刺繍（ぬいとり）の模様にありそうな鳥が、何羽も気軽そうに囀（さえず）っている、——そんな景色を眺めながら、お蓮は懐しい金の側に

奇怪な再会 (新字新仮名) ／芥川竜之介(著)

少年の眼の前には、廊下の亞子欄（あじらん）ごしに、椰子や蘇鉄や龍舌蘭（りゅうぜつらん）や、そのほか少年が名も知らない熱帯性の植物群が、毒々しい緑の深淵をひらいてゐた。

少年 (新字旧仮名) ／神西清(著)

どの柱廊も、柱と柱とのあひだはサラセン風のアーチになつてゐて、亞字欄（あじらん）が片側につらなつてゐる。そして、変に青つぽく陰つてゐる。

少年 (新字旧仮名) ／神西清(著)