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『ビルディング』
ふりがな文庫
『
ビルディング
(
)
』
巨大な四角いビルディングである。 窓という窓が残らずピッタリと閉め切ってあって、室という室が全然、暗黒を封じている。 その黒い、巨大な、四角い暗黒の一角に、黄色い、細い弦月が引っかかって、ジリ、ジリ、と沈みかかっている時刻である。 私はその …
著者
夢野久作
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「探偵クラブ」1932(昭和7)年10月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約2分(500文字/分)
朗読目安時間
約4分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
睡
(
ね
)
零
(
ゼロ
)
一重
(
ひとえ
)
室
(
へや
)
覗
(
のぞ
)
躊躇
(
ちゅうちょ
)
身体
(
からだ
)
闇暗
(
くらやみ
)