晩夏ばんか
停車場のプラットホームに 南瓜の蔓が匍いのぼる 閉された花の扉のすきまから てんとう虫が外を見ている 軽便車が来た 誰も乗らない 誰も下りない 柵のそばの黍の葉つぱに 若い切符きりがちよつと鋏を入れる …
題名が同じ作品
晩夏 (新字新仮名)堀辰雄 (著)