東京に帰ってきた彼は、見違えるように逞しくなって、ひどく日焼けしていた。ほとんど毎日海で泳ぎ、鼻のあたまの皮も、三、四へんは剥けたようだという。 だが、ふしぎにその日、彼には元気がなかった。こっちがいくらエンジンをかけようと努力しても、すぐ …
著者 | 山川方夫 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「ヒッチコック・マガジン 第四巻第一〇号」宝石社、1962(昭和37)年9月1日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約13分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約22分(300文字/分) |