遺書の一部よりいしょのいちぶより
もう二ヶ月待てばあなたは帰つて来る。もう会えるのだと思つても私はその二ヶ月をどうしても待てない。私の力で及ぶ事ならばすぐにも呼びよせたい。行つて会ひたい。けれども、もう廿二年の間、私は何一つとして私の思つた通りになつたことは一つもない。私の …