抒情詩に就てじょじょうしについて
観相をのみ崇みて、ひたぶるに己が心を虚うせむと力むるあり。かくの如くにして得たる書に眼を曝らすものゝ、たゞこれ消閑の為めにして、詩の意義のかたはしをだに解し得ざらむとするも理なり。こゝに世の趣味の卑きを嘆じぬとも、やがてその声の空しかるべき …