旋風せんぷう
秋篠寺を出て、南へとぼとぼと西大寺村へ下つて來ると、午過ぎの太陽が、容赦もなく照りつけるので、急にくらくらと眩暈がしさうになつて來た。それに朝夙くから午過ぎの今時分まで何一つ口へ入れるではなし、矢鱈に歩き通しに歩いたので、腹が空いて力が無く …