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此心
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このこゝろ
そも/\
流れに
塵一ツ
浮びそめし
初めにて、
此心更に
追へども
去らず、
澄まさんと
思ふほど
掻きにごりて、
眞如の
月の
影は
何處、
朦々朧々の
淵ふかく
沈みて
と死んでプウと息の止まつた時に
此心は
何処へ
行くかと
云ふ……
何処へ
参りませう、
是は
皆様方を
伺つたら
何処と
仰しやるか
知りませんが、
円朝には
分りません。
八重さぞ
打つけなと
惘れもせんが
一生の
願ひぞよ
此心傳へては
給はるまじや
嬉しき
御返事聞きたしとは
努々思はねど
誰れ
故みじかき
命ぞとも
知られて
果てなば
本望ぞかしと
打しほるれば