適当てきとう)” の例文
旧字:適當
わたしがしんがりをつとめていた。わたしたちの行列は親方の指図どおり適当てきとうな間をへだてて進んだので、かなり人目に立つ行列になった。
銃猟家先生のように自分で大金を費して兎やきじを取って来る人には上等料理も適当てきとうでしょうが中にはもらった雉を料理したりあるいは買って食べる人もあります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部がいぶだとか、苦痛くつうや、たいする軽蔑けいべつだとか、真正しんせいなる幸福こうふくだとか、とこんな言草いいぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適当てきとうしている哲学てつがくです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
この日はとうとう物置きに適当てきとうほらを発見することができなかった。そこでバクスターの考案こうあんで、ほらの内部の壁のやわらかいところをほって、室をひろげることにした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
美濃部みのべ博士の機関説について政治問題が起り、私は議会ぎかいの一委員会で、学問の問題を議会で論ずるは適当てきとうでないと言ったところ、翌朝からは私自身が大なる機関説論者として
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
としとった仲間なかまは、ふゆゆきのあるあいだを、てらのひさしのしたかくつくってはいっていたというから……このあたりは、ゆきふかもって、適当てきとう場所ばしょいだされないかもしれない。
雪くる前の高原の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
犬は広いところにきたので走りたくてむずむずするのですが、次郎君は戦いの前に適当てきとうの休息をあたえることが必要だと考えていますので、しっかりくびのところをつかんでいてはなしません。
決闘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
産土神様うぶすながみさまからお届出とどけいでがありますと、大国主命様おおくにぬしのみことさまほうでは、すぐに死者ししゃくべきところ見定みさだめ、そしてそれぞれ適当てきとう指導役しどうやくをおけくださいますので……。指導役しどうやく矢張やは竜神様りゅうじんさまでございます。
わたしは戸口——というよりも小屋に出入しゅつにゅうするあなというほうが適当てきとうで、そこにはドアもまどもなかったが——そこまで行って、わたしは上着とぼうしの雪をはらった。
どこか岩壁がんぺきのあいだに適当てきとうな物置きぐらがなかろうかと富士男は四、五人とともに、北方の森のなかをさがしまわった、するととつぜん異様いようのさけびがいんいんたる木の間にきこえた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
叔父おじさんは、しばらく、だまって、かんがえておられた。むずかしいことをいっても子供こどもにわからないとおもわれたので、なにか適当てきとうこたえをさがしそうとされるふうにもとられるのです。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんからだでできることなら、清作せいさくさんは、どんな仕事しごとでもよろこんでする決心けっしんでありましたが、さいわいに、むら産業組合さんぎょうくみあい適当てきとうつとぐちがあって、採用さいようされたので、いよいよこれから銃後じゅうごにて
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それで自分がどういう仕事に適当てきとうしているかがわかった。わたしはそれをやってみせた。そのうえよけいわたしをゆかいにしたことは、まったくこれでは骨折ほねおりのかいがあると感じたことであった。
それは、三にんが、もたれかかってやすむのに、ちょうど適当てきとうのものでした。
石段に鉄管 (新字新仮名) / 小川未明(著)