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追懸
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おっか
ふりがな文庫
“
追懸
(
おっか
)” の例文
この筆法をもってすれば、
情婦
(
いろ
)
から来た
文殻
(
ふみがら
)
が
紛込
(
まぎれこ
)
んだというので、紙屑買を
追懸
(
おっか
)
けて、慌てて
盗賊
(
どろぼう
)
と怒鳴り兼ねまい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と小兼は
跣足
(
はだし
)
で駈出しながら、半治さアん/\/\待ってお呉れようー。と山坂を駈下りて
追懸
(
おっか
)
けます。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女が急にオフェリヤになって、柳の枝へ
上
(
のぼ
)
って、河の中を流れながら、うつくしい声で歌をうたう。救ってやろうと思って、長い
竿
(
さお
)
を持って、
向島
(
むこうじま
)
を
追懸
(
おっか
)
けて行く。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
獣
(
けだもの
)
のね、恐ろしいものに
追懸
(
おっか
)
けられて、お前さんと、お雪さんと抱き合って、お隣の井戸の中へ
落
(
おっ
)
こちたのを見て、はッと思って目が覚めたもんだから。……
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
無理に兄弟の縁を切って西浦賀の江戸屋を
立出
(
たちい
)
でますと、小兼が
跣足
(
はだし
)
で
谷通坂
(
やんつうざか
)
まで
追懸
(
おっか
)
けて参った処までお聞に入れましたが、
茲
(
こゝ
)
に真堀の定蓮寺と申す
前
(
ぜん
)
申し上げた
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
とこの度は
洋燈
(
ランプ
)
を片手に
追懸
(
おっか
)
けて、気も上の空何やらむ足に
躓
(
つまず
)
き怪し飛びて、火影に見ればこはいかに、お藤を連れて身を隠せしと、思い詰めたる老婆お録、手足を八重十文字に
縛
(
くく
)
られつ
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬「はい今
追懸
(
おっか
)
けて返して上げようと思って居たが、是ですか」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鶴
(
つる
)
とは申せど、尻を振つて
泥鰌
(
どじょう
)
を
追懸
(
おっか
)
ける
容体
(
ようだい
)
などは、余り
喝采
(
やんや
)
とは参らぬ図だ。誰も誰も、
食
(
くら
)
ふためには、
品
(
ひん
)
も威も下げると思へ。
然
(
さ
)
までにして、手に入れる餌食だ。
突
(
つつ
)
くと成れば会釈はない。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
(そ、その森の中、垣根越、女の姿がちらちらする、わあ、
追懸
(
おっか
)
けて来た、入って来る……閉めて
欲
(
ほし
)
い。)と云うで、ばたばた小窓など
塞
(
ふさ
)
ぎ、
赫
(
かっ
)
と
明
(
あかる
)
くとも参らんが、
煤
(
すす
)
けたなりに
洋燈
(
ランプ
)
も
点
(
つ
)
けたて。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
素見
(
ひやかし
)
を
追懸
(
おっか
)
けた亭主が、値が出来ないで舌打をして引返す……
煙草入
(
たばこいれ
)
に
引懸
(
ひっかか
)
っただぼ
鯊
(
はぜ
)
を、鳥の毛の
采配
(
さいはい
)
で釣ろうと構えて、ストンと外した玉屋の
爺様
(
じいさま
)
が、
餌箱
(
えさばこ
)
を
検
(
しら
)
べる
体
(
てい
)
に、財布を
覗
(
のぞ
)
いて
鬱
(
ふさ
)
ぎ込む
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“追”で始まる語句
追
追従
追々
追剥
追分
追掛
追手
追憶
追付
追駈