身躾みだしなみ)” の例文
それに焦茶の肩掛ショオルをしたのは、今日あたりの陽気にはいささかお荷物だろうと思われるが、これも近頃は身躾みだしなみの一ツで、貴婦人あなた方は、菖蒲あやめが過ぎても遊ばさるる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しものの痘痕あばたは一目見て気の毒な程で、しかも黒い。字義をもって論ずると月下氷人でない、竈下かまのした炭焼であるが、身躾みだしなみよく、カラアが白く、磨込んだ顔がてらてらと光る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……第一膝を折った身躾みだしなみい処を見ろッて、さんざん効能を言ったではありませんか。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どの姉妹きょうだいも活々して、派手に花やかで、日の光に輝いている中に、独り慎ましやかで、しとやかで、露を待ち、月にあこがるる、芙蓉ふようは丈のびても物寂しく、さした紅も、ひとえに身躾みだしなみらしく
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かみすぢ身躾みだしなみわすれないひとの、これ至極しごくしたことである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
寐起ねおきの顔にも、びんの乱れは人に見せない身躾みだしなみ
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)