綾羅りようら)” の例文
武者むしやぶりいて、これをなじるに、つま綾羅りようらにだもへざるさまして、ちつともらずとふ。またまことらざるがごとくなりけり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けば聖書バイブルかてにする道徳家だうとくかが二十五銭の指環ゆびわ奮発ふんぱつしての「ヱンゲージメント」、綾羅りようら錦繍きんしゆう姫様ひいさま玄関番げんくわんばん筆助君ふですけくんにやいの/\をんだはての「ヱロープメント」
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
綾羅りようらの袂ゆたかにひるがへるは花に休める女蝶めてふの翼か、蓮歩れんぽふしきふなるは蜻蛉かげろふの水に點ずるに似たり。折らば落ちん萩の露、ひろはば消えん玉篠たまざゝの、あはれにも亦あでやかなる其の姿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
其方そなたながめて佇立たゝずめば、かぜたはる朗詠らうえいこゑいとゞゆかしさのかずへぬ糸子いとこ果敢はかなきものとおもてゝ、さかりのべに白粉おしろいよそほはず、金釵きんさ綾羅りようらなんのためかざり、らぬことぞとかへりみもせず
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
でも、こゝには、金銀如山きんぎんやまのごとく綾羅りようら錦繍きんしう嘉肴かかう珍菓ちんくわ、ありあまつて、ほ、りないものは、お使者ししやおにたゝくととゝのへるんです、それに不足ふそくはありません。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)