ワタシ)” の例文
「まだそんなことを言ふ。それ程必要な本があれば図書館に行かなくつたつて、ワタシが買つてやると言つてるぢやあないか。」
その頃の生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
「マア、イケマセンネエ。ソレハソウト、アナタハ赤イ洋服ガチツトモ似合ヒマセンネ。アレヲワタシニカシテ下サイ。アナタニハ私ノ洋服ヲカシテカゲマセウ。」
カツテワタシハ、アイ哲人テツジン、ヘエゲルノデアッタ。哲学テツガクハ、ヘノアイデハナクテ、真実シンジツトシテ成立セイリツセシムベキサマ体系知タイケイチデアル、ヘエゲル先生センセイノコノ言葉コトバ一学兄イチガッケイオシエラレタ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「それぢやあない、ワタシは学校以外には一切出すまいかとさへ思つてゐる。昨晩もお母さんと話したんだが。」
その頃の生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
「カヘルサン、ワタシノ足ニ綱ヲツケテ上ヘヒツパリアゲテ下サイ。スグトツテキテオアゲシマスカラ。」
ケサ、六時ロクジ林房雄氏ハヤシフサオシ一文イチブンンデ、ワタシカカナケレバナルマイトゾンジマシタ。多少タショウ悲痛ヒツウト、決断ケツダン、カノ小論ショウロン行間ギョウカンアラナガレテ清潔セイケツゾンジマシタ。文壇ブンダン、コノ四、五ネンナカッタコトダ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「今朝もMのおつ父さんに会つたがね、あれはお前が入学当時の成績のことを思つて、あなたのお子さんはよくお出来でつて挨拶をしたがワタシは冷汗が出た。」
その頃の生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
ソレヲワタシハ持ツテヰマス。ミタイカタハ、ワタシウチヘ遊ビニオイデナサイ。
スベテノゲンタダシク、スベテノゲンウソデアル。所詮ショセンイカダウエンヅホツレツデアル、ヨロメキ、ヨロメキ、キミモ、ワタシモ、ソレカラ、マタ、林氏ハヤシシハゲシク一様イチヨウナガサレテルヨウダ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「オネコサン、ワタシハカゼヲヒイテ、真白マツシロナキモノヲキテネテヰマス。」
「オ母サン、ワタシ、コンナ洋服大キラヒ。キマセン。」