“悲痛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひつう54.2%
かなしみ20.8%
かなしさ12.5%
いたましさ4.2%
いたみ4.2%
ヒツウ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
街頭がいとうをさらし、ゆきまじりのかぜなかで、バイオリンをき、悲痛ひつううたをうたって、みちゆくひとあしめようとしました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
立ツて来る時には、必ず、アノ広い胸の底の、大きい重い悲痛かなしみを、滞りなく出す様な汽笛を、誰はばからず鳴らした事であらう。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其昔、町でも一二の浜野屋の女主人をんなあるじとして、十幾人の下女下男を使つた祖母が、癒る望みもない老の病に、彼様ああして寝てゐる心は怎うであらう! 人間ひとの一生の悲痛いたましさが、時あつて智恵子の心を脅かす。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
鋭い良心の詰責とがめは、身をまもる余儀なさの弁解いひわけと闘つて、胸には刺されるやうな深い/\悲痛いたみを感ずる。丑松はぢたり、おそれたりしながら、何処へ行くといふ目的めあても無しに歩いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ケサ、六時ロクジ林房雄氏ハヤシフサオシ一文イチブンンデ、ワタシカカナケレバナルマイトゾンジマシタ。多少タショウ悲痛ヒツウト、決断ケツダン、カノ小論ショウロン行間ギョウカンアラナガレテ清潔セイケツゾンジマシタ。文壇ブンダン、コノ四、五ネンナカッタコトダ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)