皇子おうじ)” の例文
ひめさまは、その皇子おうじをまだごらんにならなかったばかりでなく、そのくにすら、どんなくにであるか、おりにならなかったのです。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
召使めしつかいの女官じょかんたちはおおさわぎをして、あかさんの皇子おうじいて御産屋おうぶやへおれしますと、御殿ごてんの中はきゅう金色こんじきひかりでかっとあかるくなりました。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
皇子おうじはそのとおり、十五人もいらしったごきょうだいの中から、しまいにお父上の天皇のおあとをおぎになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ニコラス廃帝が、内親王は何人いくたりも持っておられたにもかかわらず、皇子おうじとしては今年やっと十五歳になられた皇太子アレキセイ殿下以外に一人も持っておられなかったことです。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
雲巌寺は開基五百余年の古寺ふるでらで、境内に後嵯峨ごさが天皇の皇子おうじ仏国ふつこく国師こくしの墳墓がある。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
清盛が厳島いつくしま参詣さんけいする道をなおくするために切り開かした音戸おんど瀬戸せとで、傾く日をも呼び返したと人は申しまする。法皇は清盛のむすめはらから生まれた皇子おうじに位をゆずられる、と聞いております。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
村上天皇むらかみてんのう皇子おうじ中務卿なかつかさきょう具平親王ともひらしんのう
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そのうちに、皇子おうじのほうからは、たびたび催促さいそくがあって、そのうえに、たくさんの金銀きんぎん宝石ほうせきるいくるまんで、おひめさまにおくられました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
皇子おうじはそれからまたつぎのおあにいさまの白日子王しらひこのみこのところへおいでになって、同じように、天皇がお殺されになったことをお告げになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
とうとうおしまいにこの日本国にほんこく皇子おうじまれてて、ほとけみち跡方あとかたもないところ法華ほっけたねいた。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それには、だれかひとをやって、よくその皇子おうじうえさぐってもらうにしくはないとかんがえられましたから、おともひとをそのくににやられました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、皇子おうじ倭日子命やまとひこのみことがおなくなりになったときに、人がきといって、お墓のまわりへ人を生きながらめておともをさせるならわしがはじまりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そして皇子おうじのおからだからは、それはそれは不思議ふしぎなかんばしいかおりがぷんぷんちました。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「このすながなくなったら、ふたたびこのねむまちかえってこい。すると、このくに皇子おうじにしてやる。」
眠い町 (新字新仮名) / 小川未明(著)