“男児”のいろいろな読み方と例文
旧字:男兒
読み方割合
をとこ26.7%
おとこ20.0%
おのこ13.3%
おとこのこ13.3%
むすこ6.7%
だんし6.7%
だんじ6.7%
フィス6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「実に御辞おことばの通りです」と篠田は首肯うなづき「けれど老女おばさん、真実我を支配する婦人の在ることは、男児をとこに取つて無上の歓楽では無いでせうか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
が、おれは男だ、おれは男だ、一婦人いっぷじんのために心を労していつまで泣こうかと思い返して、女々めめしい心を捨ててしきりに男児おとこがって諦めてしまった。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
両親並びて、五六歳の男児おのこの父の膝にりたるは、武男が幼きころの紀念なり。カビネの一人ひとりうつしの軍服なるは乃舅しゅうと片岡中将なり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
なるほど、そばで砂いじりしている子はおいたさんと呼ばれるほどの一くせありげないたずらっ子の男児おとこのこだ。
巴里の秋 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
関翁が大声で、「婆サン如何どうしたかい、何故なぜ薬取りに来ない?」と怒鳴どなる。じいさんが出て来て挨拶する。婆さんは留守だった。十一二の男児むすこが出て来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そしてちちのつもりでは、私達わたくしたち夫婦ふうふあいだ男児だんしうまれたら、その一人ひとり大江家おおえけ相続者そうぞくしゃもらける下心したごころだったらしいのでございます。
つくせや男児だんじ本分ほんぶんを、赤心せきしん
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
ゆるい坂の片側にある小学校の日曜日で人気ない広い入口の、一方には「女児フィユ」もう一方には「男児フィス」と書かれているのも、伸子におもしろかった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)