汚名をめい)” の例文
しやしつゝお光は泣顏なきがほ隱し井戸端へ行き釣上つりあぐ竿さをを直なる身の上も白精しらげよねと事變り腹いと黒き其人が堀拔ほりぬき井戸のそこふか謀計たくみに掛り無實の汚名をめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ロミオ 領主りゃうしゅには近親きんしんたる信友しんいうのマーキューシオーが俺故おれゆゑあのやうな重傷ふかでひ、おれはまたたゞ時程ときほど縁者えんじゃとなったあのチッバルトゆゑ汚名をめいけた。
私は、私自身がブロクルハーストの前に狡猾かうくわつ邪惡じああくな子とされてしまつてゐるのがわかつた。そして、この汚名をめいすゝぐ爲めに、私は一體何をすることが出來るのか?
「ところが、くなつた後に殘る、父上市太郎樣の汚名をめいは何んとなさいます」
一四〇さるから兄長このかみ、何故此の国に足をとどむべき。吾、今信義を重んじて態々わざわざここに来る。汝は又不義のために汚名をめいをのこせとて、いひもをはらず抜打ぬきうちに斬りつくれば、一かたなにてそこに倒る。
「日本一の不覚者、前代未聞の臆病者、士道のすたれ、人の裏切り者! ……この汚名をめいを末代まで背負い、返り忠の焼き印を顔に押し、頼春も生きろそちも生きろ! ……生き得る手段はただ一つ!」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
流し父事御仕置になりしは是非におよばさりながら其人殺盜賊は彦兵衞に之なく外にあるにより此段御公儀へ訴へ父が汚名をめいすゝぎ申度何卒御執計おとりはからひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから、私は、高くのぼつたまゝ、そこにゐた。曾てはこの室の眞中まんなかに自分の足で立たせられる恥辱ちじよくさへ堪へ得ないと云ひ放つた私が、今は汚名をめいの臺上に衆目を集めてさらされてゐた。
跡取の謙之進けんのしん樣——十歳になつたばかりのを屋敷に殘し、十二歳のお孃樣早苗さなえ樣といふのと、お腰元のお菊、それに用人の市太郎をつれて、根岸の御隱殿裏の貸家に籠つた——不義ふぎ汚名をめいせられ
話しお金は營業なりはひよりの歸り道二人が話しの容子ようすを聞き殘らず吾儕わたくしに話したるより其無念やる方なくかれを殺して身の汚名をめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)