村境むらざかい)” の例文
其間そのあいだに村人の話を聞くと、大紙房と小紙房との村境むらざかいに一間の空家あきやがあつて十数年来たれも住まぬ。それは『』がたたりす為だと云ふ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
村境むらざかいまで行ってしまう始末さ、わしらもく抱いてもりをしたんだが、今じゃアでかくなってハア抱く事ア出来ねい
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二人の送って来てくれたところは、村境むらざかいとみえて、そこには夕暗にもしるく、大きな自然石を並べた橋が架かって、橋の向うはもう坦々たんたんたる村道になっているのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
昨夜さくや村境むらざかいで発見した惨殺死体は、つらの皮をがれているので何者か判らぬ。この男も言語不通であるから何者かだ判らぬ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
花「悪い奴じゃ、こんな村境むらざかいの処へ出やアがって追剥おいはぎをしやアがって悪い奴じゃ、今度こんだ此辺こゝらアうろ/\しやアがると打殺ぶちころすぞ、いやうしろれか居やアがるな、此奴こいつ組付くみついて居やアがったか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ただ暫時しばらくは黙って睨んでいると、老女は何と感じたか、きいろい歯を露出むきだして嫣然にやにや笑いながら、村境むらざかいの丘の方へ……。姿は煙の消ゆるが如くにせてしまった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
追手おっての人々もおなじ村境むらざかいまで走って来たが、折柄おりからの烈しい吹雪ふぶきへだてられて、たがいに離れ離れになってしまった。其中そのなかでも忠一は勇気をして直驀地まっしぐらに駈けた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)