かゝり)” の例文
眞直まつすぐに護國寺はじ波切不動なみきりふどうへ參詣て田圃道を緩々ゆる/\王子へ行可しとて小川町へとかゝりけるに和吉は大きにのぞみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御一笑可下候。老公も此廿五日御軍制改正の御かゝり仰渡、御登城に相成申候。何樣の獻立こんだてに御座候哉、其後水府へ參不申候に付、模樣もやう相分不申候。追而細事申上候樣仕申候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
野々宮さんは何時いつになく真黒なフロツクをて、胸にかゝり員の徽章をけて、大分だいぶ人品がい。手帛ハンケチを出して、洋服のそでを二三度はたいたが、やがて黒板を離れて、芝生の上を横切つてた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
請取うけとり川越の地へ歸りけりあとに皆々此※をはづさず近々に江戸表へくだらんと用意にこそはかゝりける先呉服物一式いつしきは南部權兵衞是を請込うけこみ染物そめものは本多源右衞門塗物ぬりものの類は遠藤森右衞門が引請夜を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すぐ石段をのぼつて、戸をけて、銀行のなかへ這入つた。帳面と印形をかゝりのものに渡して、必要の金額きんがくを受取つてて見ると、美禰子は待つてゐない。もう切り通しの方へ二十間ばかりあるしてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
急ぐ物から大家たいけの事ゆゑ出入でいりの者まで萬事行屆かする其爲に支度にかゝりて日を送りまだ當日さへさだめざりけりさても此方は裏店うらだな開闢かいびやく以來いらい見し事なき釣臺三荷の結納物をかつぎ入ける爲體ていたらくに長家の者は目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)