御願おねが)” の例文
ねんも三ねん泣盡なきつくして今日けふといふ今日けふどうでも離縁りゑんもらふていたゞかうと决心けつしんほぞをかためました、うぞ御願おねがひで御座ござります離縁りゑんじやうつてくだされ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御願おねがひ申ますと其所を立去り夫より所々を回りて我家へ歸るや否や親分おやぶんの方へゆき親分に御聞申ことがあると云ゆゑ長兵衞は何事ならんと心配しんぱいして其譯そのわけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此事このこと旦那樣だんなさまにも奧樣おくさまにも毎度いくたび申上まうしあげて、何卒どうか今夜こんや御出帆ごしゆつぱんけは御見合おみあはくださいと御願おねがまうしたのですが、御兩方おふたりともたゞわらつて「亞尼アンニー其樣そんな心配しんぱいするにはおよばないよ。」とおほせあるばかり
これやモウほどなく十になるがせきとまつてつていのかの、かへるならばかへらねばるまいぞといておやかほむすめ今更いまさらのやうに見上みあげて御父樣おとつさんわたくし御願おねがひがあつてたので御座ござります
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らぬのお八重やへ素振そぶさつせずどく我身わがみ大事だいじにかけるとてゆるほど心配しんぱいさせし和女そなたなさけわすれぬなりりながら如何いかほどくしてくるゝともなるまじきねがひぞとは漸〻やう/\斷念あきらめたりそれにつきてまたべつ父樣と さまはゝさまへの御願おねがひあれどかたなり和女そなたなりになげきを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)