御本尊ごほんぞん)” の例文
「ああ、わかりました。御本尊ごほんぞん金仏かなぶつさまががったのです。ほら、あのとおりお口のはたに、あんこがいっぱいついています。」
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そしてその幽霊の御本尊ごほんぞんというのが、外でもない、かれ道夫の前に、卓子テーブルをはさんで椅子に腰をかけている雪子姉さんなのである。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これまた、御本尊ごほんぞん羅刹らせつに申上て候。今日ほとけうまれさせまします時に、三十二の不思議あり、此事、周書異記云文しうしよいきといふふみにしるしけり。
仏教はさかんになろうも知れませんが、ともかく、偶像の方となりますると……その如何いかがなものでござろうかと……同一おなじ信仰にいたしてからが、御本尊ごほんぞんに対し、礼拝らいはいと申すかた
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
持病ぢびやうといふのはれかと切込きりこまれて、まあ其樣そんところでござんせう、お醫者樣ゐしやさまでも草津くさつでもと薄淋うすさびしくわらつてるに、御本尊ごほんぞんおがみたいな俳優やくしやつたられのところだといへば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
へへへのへ、のんだくれの御本尊ごほんぞん
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そして御本尊ごほんぞん阿弥陀あみださまのお口のまわりに、重箱じゅうばこのふちにたまったあんこを、ゆびでかきよせては、こてこてとぬりつけました。
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
けれども、石段だけも、婀娜あだ御本尊ごほんぞんへはみちが近うなってございますから、はははは。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おやおや、御本尊ごほんぞんがしらないんじゃ、誰にもわかるはずがない」
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
といいながら、和尚おしょうさんは本堂ほんどうへ行ってみますと、なるほど重箱じゅうばこがうやうやしく、御本尊ごほんぞんまえがっていましたが、あけてみると、中はきれいにからになっていました。
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)