“薄淋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすさび83.3%
うすさみ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なにとなく薄淋うすさびしくなつたなみおもながめながら、むねかゞみくと、今度こんど航海かうかいはじめから、不運ふうんかみ我等われら跟尾つきまとつてつたやうだ。
何処どこか近くの家で百万遍ひゃくまんべんの念仏を称え始める声が、ふと物哀れに耳についた。蘿月はたった一人で所在しょざいがない。退屈でもある。薄淋うすさびしい心持もする。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そうするとこれを聞いたこなたのきたな衣服なりの少年は、その眼鼻立めはなだちの悪く無い割には無愛想ぶあいそう薄淋うすさみしい顔に、いささか冷笑あざわらうようなわらいを現わした。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)