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どっち
ふりがな文庫
“
孰方
(
どっち
)” の例文
お
腹
(
なか
)
空
(
す
)
いてたら早う薬
循
(
まわ
)
りますさかい、なるだけ余計
喰
(
た
)
べとことして、
孰方
(
どっち
)
も相手の御飯の数勘定して競争で詰め込みますのんで
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
蘆
(
あし
)
が
青簾
(
あおす
)
の筈なんです。
処
(
ところ
)
が、
孰方
(
どっち
)
を向いても一面の泥田、沼ともいわず底が浅い。
溝
(
どぶ
)
をたたきつけた同然に炎天に湧いたのが
汐
(
しお
)
で焼けて、がさがさして、焦げています。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
百田宗治は
孰方
(
どっち
)
かといえば美貌の老青年、伊藤整もまた天下にかくれない美貌の作家であった。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
... 預かると色々風変りな勝手道具も
要
(
い
)
るからその方はお登和の
嫁入支度
(
よめいりじたく
)
として僕が
買調
(
かいととの
)
えておこう」大原「ありがたい、どうぞそう願いたい。勝手道具位は
孰方
(
どっち
)
になっても構わんけれども僕は様子を ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
孰方
(
どっち
)
にしても僕の不名誉は拭はれツこはないんだ。ねえ君、さうぢやないか、さうなつても君は僕を捨てないでくれるだらうか。
私
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
と思うばかりで、
何故
(
なぜ
)
と云う次第は民也にも説明は出来ぬと云う。——
何
(
な
)
にしろ、
遁
(
のが
)
れられない
間
(
あいだ
)
と見えた。
孰方
(
どっち
)
か乳母の
児
(
こ
)
で、
乳姉妹
(
ちきょうだい
)
。それとも
嫂
(
あによめ
)
と
弟嫁
(
おとよめ
)
か、
敵
(
かたき
)
同士か、いずれ
二重
(
ふたえ
)
の幻影である。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「友達として清く附き合うのと、誘惑されて又ヒドイ目に遭わされるのと、
孰方
(
どっち
)
がよくって?———あたし今夜は譲治さんを脅迫するのよ」
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そんな、寝惚けたふりしたかて、胡麻化されまつかいな。リヽー遣んなはるのんか
孰方
(
どっち
)
だす? 今はつきり云うて頂戴。」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そんな、
寝惚
(
ねぼ
)
けたふりしたかて、
胡麻化
(
ごまか
)
されまつかいな。リヽー
遣
(
や
)
んなはるのんか
孰方
(
どっち
)
だす? 今はつきり云うて頂戴。」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そんな、
寝惚
(
ねぼ
)
けたふりしたかて、
胡麻化
(
ごまか
)
されまっかいな。リリー
遣
(
や
)
んなはるのんか
孰方
(
どっち
)
だす? 今はっきり云うて
頂戴
(
ちょうだい
)
。」
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
光ちゃんと私とはなんぼ熱烈に愛し合うてたかて自然に
背
(
そむ
)
いてるさかい、もし
孰方
(
どっち
)
ぞが捨てられるいうことになったら私の方が捨てられます。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その前の晩もやはり夜通し泣きつづけて、彼女も要もほとんど寝られなかったので、さし向いになった夫婦は
孰方
(
どっち
)
も
脹
(
は
)
れぼったい眼をしていた。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうなることを
孰方
(
どっち
)
も恐れていればこそ、そんな機会を作らないように互に避けているのではあるが、現にこうして相対している今の場合でも
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
あたしはあたしで、本家のためも思い、こいさんのためも思うて、
孰方
(
どっち
)
にも
瑕
(
きず
)
が付かんように苦心したつもりやってんわ
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お話したいいうのんも実はそのことなんですが、いったいお姉さんは、僕とお姉さんと
孰方
(
どっち
)
が余計愛されてる思います。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夫は例の
孰方
(
どっち
)
つかずなあいまいな返辞をするばかりだし、彼女自身もそれならどうと云う心持もきまらないので、ついぐずぐずと昼過ぎになってしまった。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、Sはそう云って、
孰方
(
どっち
)
つかずに
衝
(
つ
)
っ立ったままの私の顔を見上げながら、もう一度ニヤニヤ笑いました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何か、人間の世を離れた、
遥
(
はる
)
かな遥かな無窮の国を
想
(
おも
)
わせるような明るさである。その時の気持次第で、
闇夜
(
やみよ
)
とも月夜とも
孰方
(
どっち
)
とも考えられるような晩である。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
つまり亭主への反感と、品子への反感と、
孰方
(
どっち
)
の感情で動いたらよいか
板挟
(
いたばさ
)
みになってしまったのである。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうして大都会の下町に、
蜂
(
はち
)
の巣の如く交錯している大小無数の街路のうち、私が通った事のある所と、ない所では、
孰方
(
どっち
)
が多いかちょいと
判
(
わか
)
らなくなって来た。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
遥
(
はる
)
かな沖の方からか、それとも行くての何本も何本も先の磯馴松の奥の方からか、
孰方
(
どっち
)
だかよく分らないが、ふと、私の耳に這入って来た不思議な物の音があった。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうかと
云
(
い
)
って、
虐待
(
ぎゃくたい
)
されていたり死んでいたりしたのでは尚悲しいし、
孰方
(
どっち
)
にしても気が晴れることはないのだから、いっそ何も聞かない方がいいかも知れない。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
悪いと思ったら詫まるがよし、それが
厭
(
いや
)
なら帰っておくれ。………さ、
孰方
(
どっち
)
にするんだよ、早く極めたらいいじゃないか。詫まるのかい? それとも浅草へ帰るのかい?
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「いつたいお母さん僕のお母さんか、福子のお母さんか、
孰方
(
どっち
)
だす? なあ、孰方だすいな。」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「いつたいお母さん僕のお母さんか、福子のお母さんか、
孰方
(
どっち
)
だす? なあ、孰方だすいな。」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そうでもないけど、奥畑と結婚するのんと
孰方
(
どっち
)
か云うたら、まだ板倉の方がええやろうな」
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
平中の場合と時平の場合と、老人に取って
孰方
(
どっち
)
が餘計残酷であるかは言を
俟
(
ま
)
たない。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自動車における衝突の危険と、電車における感冒伝染の危険と、
孰方
(
どっち
)
がプロバビリティーが多いか。それから又、仮りに危険のプロバビリティーが両方同じだとして、孰方が余計生命に危険であるか。
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「うちは
孰方
(
どっち
)
でもええわ、
雪姉
(
きあん
)
ちゃんに聞いて見て、———」
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そしたら、今のこと返事しなさい、
孰方
(
どっち
)
だす?」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そしたら、今のこと返事しなさい、
孰方
(
どっち
)
だす?」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「お春と
孰方
(
どっち
)
が上やろか」
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
孰
漢検1級
部首:⼦
11画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“孰方”で始まる語句
孰方道