“墓石”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はかいし60.9%
ぼせき26.1%
おはか4.3%
しるし4.3%
はか4.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
墓石はかいし大小によりて住職の心におうぜずふちへかへせば、その逆浪げきらうして住職のこのむ石を淵に出したる事度々あり。
だが、それは斎入が物をらないからで、徳川時代の洒落者の多かつた江戸町人の墓石はかいしには、故人が好物の形に似せた墓も少くなかつた。
「おまえのはかは、これだった。このしたに、いままでおまえは、ねむっていたのだ。」と、おじいさんは、一つの墓石はかいししました。
銀のつえ (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼の脚は、墓石ぼせきみたいに、動こうともしなかったが、ふと、その人の顔を見ると、柘植嘉兵衛であったので、はっとゆるむと、
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
墓石ぼせきは戒名も読めかねる程苔蒸して、黙然として何も語らぬけれど、今きたってまのあたりに之に対すれば、何となく生きた人とかおを合せたような感がある。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
が、今は墓石ぼせき勿論もちろん、墓をめぐつた鉄柵てつさくにも凄まじい火のあとは残つてゐる。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
遠藤清子の墓石おはかの建ったお寺は、谷中やなか五重塔ごじゅうのとうを右に見て、左へ曲った通りだと、もう、法要のある時刻にも近いので、急いで家を出た。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「オオ、袖ヶ浦のなぎにのぞんで、兄上のお墓石しるしが見えるわ……」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雨の日には、こずえから雨滴あまだれがボタボタ落ちて、苔蘚こけの生えた坊主の頭顱あたまのような墓石はかは泣くように見られた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)