ある)” の例文
前にして遠く房總ばうそうの山々をのぞみ南は羽田はねだみさき海上かいじやう突出つきいだし北は芝浦しばうらより淺草の堂塔迄だうたふまではるかに見渡し凡そ妓樓あそびやあるにして此絶景ぜつけい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
所のつたへに大なるを時平しへいの塚とし、小なるを時平の夫人ふじんの塚といふ。時平大臣夫婦の塚此地にあるべき由縁いはれなきことは論におよばざる俗説ぞくせつなり。
兵法などをしへ如あるなき儀ニ御座候間、御見知り被成候て、以来、被掛御目おめかけられ候ハヾ、可忝候、猶重而かさねて可得御意候、恐惶謹言(原文のまま、句点)
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝は汝が天にあるを知らざるや、天は凡て聖にして、こゝに爲さるゝ事、皆熱き愛より出るを知らざるや 七—九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
仮にもし、独逸人は飲料水の代りに麦酒ビールを飲むさうだから我々もさうしようといふやうな事……とまでは無論行くまいが、些少でもそれに類した事があつては諸君の不名誉ではあるまいか。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は決して節操をけがすやうな弱い心は起しません、父の財産は不義の結果です、私は富める不義の家に悩める心をいだいてあるよりも、貧しき清き家に楽しき団欒だんらんを望むで居るのです——銀子さん
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
正に今日でした、私はあのはなれからペンとインキを持ち出して、彼かえでの下の食卓に居られる皆さんの署名を記念の為に求めました。其手帳は今私の手近にあります。私はけて見ました。みなある焉。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
きゝしばし思案して申ける樣和尚は何とおもはるゝや拙者せつしや大言たいげんはくに似たれども伊賀亮ほどの大才ある者久しく山中にかくれてある黄金こがね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
所のつたへに大なるを時平しへいの塚とし、小なるを時平の夫人ふじんの塚といふ。時平大臣夫婦の塚此地にあるべき由縁いはれなきことは論におよばざる俗説ぞくせつなり。
まし種々いろ/\に手をかへいひよるゆゑをつと喜八と申者あるうちは御心に從ひては女の道たち申さずと一すんのがれに云拔いひぬけけるを或時粂之進ちやくま持來もちきたる其手をらへ是程までに其方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
我国の鮏は初秋より北海をいで千曲川ちくまかは阿加川あかかは両大河ふたつのだいがさかのぼる、これ其子をうまんとて也。女魚めな男魚をなしたがふてのぼる。さかのぼる事およそ五十余里、河にある事およそ五か月あまり也。