じゆ)” の例文
さるにや気も心もよわよわとなりもてゆく、ものを見るあきらかに、耳の鳴るがやみて、恐しき吹降ふきぶりのなかに陀羅尼だらにじゆするひじり声々こえごえさわやかに聞きとられつ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此の一六〇じゆを戸ごとして神仏を念ずべし。
落葉のみ、じゆ古經ふるぎやう
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
御仏みほとけのそのをさなごをいだきたまへるもかくこそとうれしきに、おちゐて、心地ここちすがすがしく胸のうち安くたいらになりぬ。やがてぞじゆもはてたる。らいの音も遠ざかる。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ならひたての九字くじるやうな、ゆびさきてのひらいて、次手ついで道中安全だうちうあんぜん女難即滅ぢよなんそくめつじゆとなへる。……
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じゆなく、てがたなきに、この秘閣ひかく廊下らうかところとびらおのづからひらけ、はしらきたむかふるかんがある。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)