“原(も)” の例文
原(も)と支那から来た落葉灌木で、美花を開き花弁は多少相重なり花梗は長いので花が小枝から垂れて咲いていて垂糸海棠の名は最も相応(ふさわ)しい。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
一八九八年版ハーチングの『熟兎篇(ゼ・ラビット)』に拠ると原(も)と熟兎はスペイン辺に産しギリシアやイタリアやその東方になかった。
われは歸るさに故意(わざ)と手帳を遺(わす)れ置きぬ。そは日暮れて再び往かん爲めなり。原(も)と女といふものは、只二人居向ひては頑(かたくな)ならぬが多し。さて我は再び往きぬ。
風雲惨澹として旌旗(せいき)を捲く 仇讎(きゆうしゆう)を勦滅(そうめつ)するは此時に在り 質を二君に委(ゆだ)ぬ原(も)と恥づる所 身を故主(こしゆう)に殉ずる豈(あに)悲しむを須(ま)たん 生前の功は未だ麟閣(りんかく)に上(のぼ)らず 死後の名は先づ豹皮(ひようひ)を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
○玉子の白身は原(も)と泡の如き小球より成立つものなり。故にこれを釈き泡にせしむれば大に消化を良くす。何の料理にも本式は多く白身を釈きて泡となしその上にて黄身と交ゆるなり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
雁字といふのは雁の群れて列をなして居る処を文字に喩(たと)へたのであつて原(も)と支那で言ひ出しそれが日本の文学にも伝はつて和歌にて雁(かり)といふ題にはしばしばこの字の喩(たとえ)を詠(よ)みこんであるのを見る。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
原(も)と主筆が予に文壇の評を求められるのは、予がかつて鴎外の名を以て文学の事を談じたという宿因あるが故だ。ここに書くところは即ち予の懺悔(ざんげ)で、彼宿因を了する所以(ゆえん)だ。人は社会を成す動物だ。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
Viola は原(も)とスミレのギリシャ語 ion に基づきそれに小さい意味を持たせたラテン語字体である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
全体どういう訳でそれをチャンチンというかと言うとこれは実はヒャンチンの転訛で原(も)と香椿(こうちん)の支那音である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)