“草原”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くさはら81.2%
くさばら5.9%
そうげん2.4%
くさっぱら2.4%
かやはら1.2%
パンパス1.2%
くさつぱ1.2%
さうげん1.2%
ステップ1.2%
ステッペ1.2%
プレーリー1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
露に濡れた草原くさはらを踏みわけて、お寺の方へ来ました。そうして鐘撞き堂まで来ると、空高く月の光りに輝いている鐘を見上げました。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
舞鶴城の天守のやぐらで、うまの刻……只今の正午のお太鼓がド——ンと聞えますと、すぐに鍬を放り出して、近くのどて草原くさばらの木蔭か軒下のきしたに行って弁当を使う。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なるほど、トロッコのとおるレールから、そうはなれていないが、工事場こうじばからはかなりへだたった草原そうげんなかに、いし破片はへんが、しろ小山こやまのごとくかさねてありました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と云ううちに、一段下りた草原くさっぱらへ据えたんでございますがね、——わけも知らずに手伝った、お道さんの心持を、あとで思うと涙が出ます。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なお一説には「陸奥の真野の草原かやはら」までは「遠く」に続く序詞で、こうしてあなたに遠く離れておりましても、あなたが眼前に浮んでまいります。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
取り込むなんて、俺にゃどうしても出来ん。カムポスはつねに草原パンパスの風のごとあれ、心に重荷なければ放浪も楽し——と、俺は常日ごろじぶんにいい聴かしてるんだ
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
二人は、粗末な貸家なぞがぽつ/\立ちかけてゐたりするやうな、草原くさつぱなぞの多い、さびれたところを近廻りして、小ぎれいな家の並んだ上品な通りへ出た。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
眼を放つ草原さうげんの枯れはてもなし牛跳躍す落つる日の前
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その間私は、いつ海が見えるか、見えるかと思いながら、草原ステップはてに、それは広大な幻を描いておりました。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ゴルキイの小説によく出てくる露西亞ロシア草原ステッペ聯想れんさうさせるやうな、荒涼くわうりやうとした原の中に工場と、工場附屬ふぞくの住宅と、貧しげな商家農家の百軒あまりがまばらに立ち並び
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
それはジャムにつぶされ、そこの自然愛好者の味覚を満足させる運命にあるのである。同様に肉屋は草原プレーリーの草から野牛バイスンの舌を掻き取り、折られてしぼむ植物をかえり見ない。