“匇々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうそう71.4%
そこそこ7.1%
そう/\5.7%
そこ/\4.3%
さうさう2.9%
さっさ2.9%
さッさ1.4%
なか/\1.4%
さう/\1.4%
そう/″\1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お恥かしい話ではあるが開業匇々そうそうの好景気に少々浮かされ気味の私は、いつの間にか学生時代とソックリの瓢軽者ひょうきんものに立ち帰っていた。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
子供でもきまりが悪くなって、匇々そこそこに其処の門口を離れて帰って来た事も有ったっけが……
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
僅か半歳の間、匇々そう/\たる貧裡半歳ひんりはんさいの間とは云へ、僕が君によつて感じ得た幸福は、とこしなへに我等二人を親友とするであらう。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
今日人を尋ぬ可く午前中に釧路を去らねばならぬので、見物は匇々そこ/\にして宿に歸る。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
爾後じご世界の歴史は匇々さうさう兵馬の声を載せて其鉄筆に五百有余頁を記しをはんぬ。長くも亦短かゝりし一歳半の日子よ。海に戦へば海に、陸に闘へば陸に、皇軍の向ふ所常に勝てり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
尤も許しさえしたら、何もほって置いて匇々さっさと帰るかも知れぬが、兎も角も職分だけはく尽す。
私のように何も無い者は、生活に疲れて路傍みちばたに倒れて居ても、誰一人たれひとり振向いて見ても呉れない。皆素通すどおりして匇々さッさと行って了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
聞に平常つね/″\正直しやうぢきにて匇々なか/\人殺ひとごろしなどなす者に非ず全く拷問がうもんつよく苦きまゝに白状なし獄門ごくもんに成たりと云ふ評判ひやうばんにて大屋殿も三貫文の過料くわれうとられし由併し大屋殿は惡くない人故地主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
内心ないしんには、あによめつやことまたあきこと、さすがにことをしたとおもはないから、村近むらぢかだけにあしのうらがくすぐつたい。ために夕飯ゆふはん匇々さう/\燒鮒やきぶなしたゝめて、それから野原のはらかゝつたのが、かれこれよる十時過じふじすぎになつた。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
... 此の花はたちま散果ちりはて可申もうすべくじく其許そこもとさまへつぼみのまゝ差送さしおくり候」はて…分らん…「差送候間御安意ごあんい為め申上候、好文木こうぶんぼくは遠からず枯れ秋の芽出しに相成候事、ことに安心つかまつり候、余は拝面之上匇々そう/″\已上いじょう、別して申上候は」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)