匇々さうさう)” の例文
爾後じご世界の歴史は匇々さうさう兵馬の声を載せて其鉄筆に五百有余頁を記しをはんぬ。長くも亦短かゝりし一歳半の日子よ。海に戦へば海に、陸に闘へば陸に、皇軍の向ふ所常に勝てり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
匇々さうさう半余歳、塵臭漸やく脱し難からむとするに至つて、乃ち突如として帰去来をしぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
匇々さうさう一葉の端書に病状を問ひたるものに答へたる同氏の美しき墨色の冒頭一節なり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
秋なれば夜毎に、甍の上は重き霧、霧の上に月照りて、永く山村僻陬へきすうの間にありし身には、いと珍らかの眺めなりしか。一夜興をえて匇々さうさう筆を染めけるものすなはちこの短調七れんの一詩也。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)