刺殺さしころ)” の例文
それから二千円の小切手を書かせ、後難を恐れて不意打に刺殺さしころし、発覚しないうちに金を受取って行衛ゆくえくらましたという事になるんだね。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そして摘草つみくさほど子供こどもにとられたとふのを、なんだかだんうらのつまり/\で、平家へいけ公達きんだち組伏くみふせられ刺殺さしころされるのをくやうで可哀あはれであつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
無念とはうか、口惜くちをしいと謂はうか、宮さん、僕はお前を刺殺さしころして——驚くことは無い! ——いつそ死んで了ひたいのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それとめざした外交官を刺殺さしころそうとしたところ、白い糸が無かったので、刺殺さずに立去ったというだけの話なのである。
今昔茶話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
驚いてその方を見ると、右手の林の中で、一人の怪漢が片手に角灯を持ち、片手に小刀ナイフを振上げて、一人の農夫のような男を刺殺さしころす有様が見えた。
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
皆んな午睡ひるねの最中に、電話で自分の女房を呼び出すと、君達証人の前で予め双生児ふたごの指紋をつけて置いた兇器で刺殺さしころし、君達の目の届かない曲角の向うで
石塀幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
表に待たして置いた罪人の内七八人の逸雄はやりお踏込ふんごんでまいりまして、最早もはや平林を刺殺さしころしてしまいました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
とらんには刺殺さしころして物にせんか縊殺しめころしてくれんかと立たり居たりして見ても流石さすがに自分の居宅きよたくにて荒仕事あらしごと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そいつを、刺殺さしころそうなんて、八つ裂きにして、串焼きにしてえってのが、人情だが、惚れた人情って奴あ、又、人情の中でも別だわな。その女を、お前、助けようってんだ。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
それが、何の因果か百合枝さん、あなたのことだけはあきらめてもあきらめても、あきらめ切れなんだ。一層いっそあなたを刺殺さしころして自分も死のうと思ったことが幾度あるか知れない。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
七年前のその晩、主人の徳五郎が川崎から夜になって帰って来たのを、庭で刺殺さしころした時、与市は手で口を塞いで噛み付かれたのだろう。——ところが、噛み切られたのは右手の薬指だ。
玲子さんが三階へ上ると間もなくあの女の寝室へ忍び込んで、何をするかと思ううちに、一気に刺殺さしころしてしまったのです。つまり天罰を下したつもりなのですね。
継子 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
引拔ひきぬき無殘むざんにも娘を刺殺さしころせども猶立石は前後も知らず醉臥ゑひふしたるを直助は直樣すぐさまうへまたが咽喉のどもと突貫つきとほし一ゑぐりに殺してまた箪笥たんすの方へゆかんとせしに女房はそつと續いて來るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
湯屋へはどうして入る?……うむ、馬鹿が!(と高笑いして)君たち、おい、いやしくも国のためには、妻子を刺殺さしころして、戦争に出るというが、男児たるものの本分じゃ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
只今美惠比丘尼が坐禅観法中、稻垣小三郎が自殺をしようとするところへ、山田藤六が忍び込んで、これを刺殺さしころそうといたします。はしん/\と更け渡り、雪は益々降りしきる。
此処ここだけのお話ですが、二年まえの冬の或夜、あの部屋へ泊ったお客様……御老人の方とその若い美しい夫人でしたが、お泊りになった晩、御老人が若い夫人を短刀で刺殺さしころしたうえ
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
十歳前後の子供であったとは云え、人一人刺殺さしころされるのを見逃がす筈はなかった。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この場を去らず刺殺さしころさまほしう、心はをどかかり、躍り襲らんと為るなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
牧さえ刺殺さしころせば、全身なますになろうとも、わしは本望じゃ
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
刺殺さしころし我自ら含状ふくみじやうを致して切腹せつぷくなすべし然らば當年の内はよも御對顏ごたいがんは有まじく其内には紀州へつかはせし兩人も調しらべ行屆てかへるべしかゝればわれはてしとてのち忠義の程あらはるべしと覺悟かくご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いやと云わば仕方がないから其の目の悪い客衆を刺殺さしころして百両のお金をって丈助に渡し、若旦那さえ世に出れば私は縄に掛って解死人げしにんに立とうとも、私の身は何う成ろうとも
若い二人の男が、仲よく笑い話をして行く背後うしろから突然に躍りかかって一人を刺殺さしころすと、残った一人を威嚇しながら、やはり二人の弁当の包みだけを奪って、又も悠々と山林に姿を消した。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
又海岸では、三人の見知らぬ子供と戯れながら、その子供等に少しも気づかれぬ間に、砂の中の深山木氏を刺殺さしころさなければならなかった。十歳の子供に、果してこの難事が為しとげられたであろうか。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
奧樣おくさまわし刺殺さしころして、お心懸こゝろがかりのないやうにねがひまする。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
私ならこんな女は一息に刺殺さしころしてしまふのです
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)