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仮寝
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うたたね
ふりがな文庫
“
仮寝
(
うたたね
)” の例文
旧字:
假寢
盧生が
邯鄲
(
かんたん
)
というところで仙翁から枕を借りて
仮寝
(
うたたね
)
すると、
黄梁
(
こうりょう
)
の飯の出来上るまでに五十年の栄華の夢を見たという話でございます。
奇談クラブ〔戦後版〕:04 枕の妖異
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜半に燈下に坐して、
倦
(
う
)
んで
仮寝
(
うたたね
)
をしていると、恍惚のうちに白衣の女があらわれて、
鍼
(
はり
)
でそのひたいを刺すと見て、おどろき醒めた。
中国怪奇小説集:15 池北偶談(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私はややともすると机にもたれて
仮寝
(
うたたね
)
をした。時にはわざわざ
枕
(
まくら
)
さえ出して本式に昼寝を
貪
(
むさ
)
ぼる事もあった。眼が覚めると、
蝉
(
せみ
)
の声を聞いた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大欠伸
(
おおあくび
)
と一緒に身を起した藤吉、
仮寝
(
うたたね
)
していたにしては、眼の光が強過ぎた。
胡坐
(
あぐら
)
を揺るがせながら、
縷々
(
るる
)
として始める。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
昼の疲もあり、蒸々する晩でもあり、不寝番の控室てはとろとろと
仮寝
(
うたたね
)
の鼾も出ようと云ふ真夜中に、けたゝましいもの音、やにはに飛出した囚人。
逆徒
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
▼ もっと見る
「寒い
思
(
おも
)
いをしてはいけないいけないッて言っても、
仮寝
(
うたたね
)
なぞしているもんだから……
風邪
(
かぜ
)
を引いちゃったんさ……」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
『類函』四三八に、王趙
方
(
かた
)
へ一僧来り食を乞い、食
訖
(
おわ
)
って
仮寝
(
うたたね
)
する鼾声夥しきを
訝
(
いぶか
)
り、王出て見れば竜睡りいた。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
程
(
ほど
)
経て白糸は
目覚
(
めざ
)
ましぬ。この
空小屋
(
あきごや
)
のうちに
仮寝
(
うたたね
)
せし渠の
懐
(
ふところ
)
には、欣弥が半年の学資を
蔵
(
おさ
)
めたるなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのうちに三人とも激しい不眠症に襲われた。その中でも、神経質の康頼がいちばんひどかった。彼は、夜中眠られない癖がついてしまったので、昼間よく
仮寝
(
うたたね
)
をする。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
一寸した
仮寝
(
うたたね
)
にも直ぐ夢を御覧なさる位ですから、それは夢の多い
睡眠
(
ねむり
)
に長い冬の夜を御明しなさるので、朝になっても又た
克
(
よ
)
くそれを忘れないで御話しなさるのです。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
翌暁
(
あくるあさ
)
小樽に着く迄は、腰下す席もない混雑で、私は
一夜
(
ひとばん
)
車室の隅に立ち明した。小樽で下車して、姉の家で朝飯を
喫
(
したた
)
め、三時間許りも
仮寝
(
うたたね
)
をしてからまた車中の人となつた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かくて妾は爆発物の原料たる薬品
悉皆
(
しっかい
)
を磯山の手より受け取り、
支那鞄
(
しなかばん
)
に入れて普通の手荷物の如くに装い、始終
傍
(
かたわ
)
らに置きて、ある時はこれを枕に、
仮寝
(
うたたね
)
の夢を
貪
(
むさぼ
)
りたりしが
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
よごれものがたまって新らしい茶碗の縁が三日と
無疵
(
むきず
)
で居たためしがないとなあ、三十九にもなって何てこったし、あまり昼、夫婦づれで、
仮寝
(
うたたね
)
ばかりしているからだなっし、貴方。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
島は、
浮
(
うき
)
島、
八十
(
やそ
)
島。浜は、
長浜
(
ながはま
)
。浦は、
生
(
おう
)
の浦、和歌の浦。寺は、壺坂、笠置、法輪。森は、
忍
(
しのび
)
の森、
仮寝
(
うたたね
)
の森、
立聞
(
たちぎき
)
の森。関は、なこそ、白川。古典ではないが、着物の名称など。
古典竜頭蛇尾
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
……醒めて口惜しき
仮寝
(
うたたね
)
の、か、ああ、詰らん詰らん。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
仮寝
(
うたたね
)
をするとか、なんぞと言っては、どやしつけられるのがつらさに、ある時などは、村の
路
(
みち
)
に通りかかった旅商人らしい男に
縋
(
すが
)
って、どこへでもいい
ネギ一束
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
筆を
執
(
と
)
るときも、
頬杖
(
ほおづえ
)
を突くときも、
仮寝
(
うたたね
)
の頭を机に支うるときも——絶えず見下している。欽吾がいない時ですら、
画布
(
カンヴァス
)
の人は、常に書斎を見下している。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五更
(
ごこう
)
(午前三時—五時)に至るまで
寂然
(
せきぜん
)
として物音もきこえないので、守る者も油断して
仮寝
(
うたたね
)
をしていると、たちまち何物かはいって来たらしいので驚いて眼をさますと
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
どうかすると、その暖い色が彼女の
仮寝
(
うたたね
)
している畳の上まで来ていることも有った。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人は途々夜の
更
(
ふ
)
けた
昨夕
(
ゆうべ
)
の話をした。
仮寝
(
うたたね
)
をして突ッ伏していたお時の様子などがお延の口に上った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やはり囲炉裏の
傍
(
そば
)
に胡坐をかいていた。みんな寝着いてから、自分もその場へ
仮寝
(
うたたね
)
をした。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうして
格子
(
こうし
)
を開ける先生をほとんど
出合
(
であ
)
い
頭
(
がしら
)
に迎えた。私は取り残されながら、
後
(
あと
)
から奥さんに
尾
(
つ
)
いて行った。
下女
(
げじょ
)
だけは
仮寝
(
うたたね
)
でもしていたとみえて、ついに出て来なかった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
仮
常用漢字
小5
部首:⼈
6画
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
“仮寝”で始まる語句
仮寝能寸佐美