“二重瞼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふたえまぶた59.4%
ふたへまぶた15.6%
ふたえまぶち15.6%
ふたへまぶち6.3%
ふたかわめ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれど私に、いつまでも忘れられぬのはその眼であった。いくらか神経質な、二重瞼ふたえまぶたの、あくまでも黒い、賢そうな大きな眼であった。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
女はだまつてゐる。やがてかはの流れから、眼をげて、三四郎を見た。二重瞼ふたへまぶたにはつきりとりがあつた。三四郎は其眼付で半ば安心した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この女はその時眼を病んででもいたのだろう、こういいいい、綺麗きれい襦袢じゅばんそででしきりに薄赤くなった二重瞼ふたえまぶちこすっていた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
法衣ころもた坊主が行列して向ふを通るときに、くろかげが、無地むぢかべへ非常に大きくうつる。——平岡は頬杖をいて、眼鏡めがねの奥の二重瞼ふたへまぶちを赤くしながら聞いてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
時に教頭胸をらして、卓子テイブルをドンとこぶしで鳴らすと、妙子はつつと勇ましく進んで、差向いにおもてを合わせて、そのふっくりした二重瞼ふたかわめを、おくする色なく、円くみはって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)