“ゆくて”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユクテ
語句割合
前途44.5%
行手37.3%
行方4.5%
往手3.6%
行先3.6%
往方2.7%
行路0.9%
行途0.9%
行道0.9%
進路0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾等の前途ゆくてを圧するような、雄大な山の姿は、問わずと知れた武甲山、成程武蔵の名山であると、心を躍らせながら、秩父大宮の町に着いた。
武甲山に登る (新字新仮名) / 河井酔茗(著)
その氣持ちを言ひ現すことは出來ないが、私は、彼女が私の行手ゆくての路に、嫌惡けんをと不親切の種を蒔きつゝあると云ふことを感じた。
かまのやうな新月しんげつ物凄ものすご下界げかいてらしてたが、勿論もちろんみち案内しるべとなるほどあかるくはない、くわふるに此邊このへんみちいよ/\けわしく、とがつた岩角いはかどわだかま無限むげん行方ゆくてよこたはつてるので
友は往手ゆくてを指ざしていふやう。かしこなるが我が懷かしききたなきイトリの小都會なり。汝は故里の我が居る町をいかなる處とかおもへる。
下りしが下りてグルリと𢌞つて見ると方角さらに分らずいづれが行先ゆくて歸る道と評議する顏を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
河の岸に生茂つた樺やはしばみや「サツサフラス」の小枝を押し分け乍ら、岸に沿うて登つて行くに、樹々の枝に蔓を渡して、往方ゆくての途に網を張つた、野生の葡萄が、折々足に搦んで、その困難
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
にはかきびすかへして急げば、行路ゆくての雲間にふさがりて、咄々とつとつ何等なんらの物か、とまづおどろかさるる異形いぎよう屏風巌びようぶいは、地を抜く何百じよう見挙みあぐる絶頂には、はらはら松もあやふ立竦たちすくみ、幹竹割からたけわり割放さきはなしたる断面は
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
誰れの手からも離れてゆくこの女の行途ゆくてを祝福して盛んにしてやりたいから、という旧芸術座脚本部から頼まれた須磨子のための連中は、七草の日に催されるはずであった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
一萬三千人いちまんさんぜんにんくびねたりとばるゝ、にもおそるべき斬頭刄ギラチンかたち髣髴ほうふつたる、八個はつこ鋭利えいりなる自轉伐木鉞じてんばつもくふとの仕掛しかけにて、行道ゆくてふさがる巨木きよぼくみきよりたほ
審判さばき進路ゆくて支へられずば。 一三九—一四一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)