“やくわん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
扼腕24.0%
藥鑵20.0%
藥罐20.0%
薬鑵16.0%
薬罐8.0%
薬盌4.0%
銅鑵4.0%
鑵子4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其からは落第の恥辱をすすがねばかぬと発奮し、切歯せっしして、扼腕やくわんして、はたまなこになって、又鵜の真似を継続してった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
宗助そうすけつぎにある亞鉛とたんおとしのいた四角しかく火鉢ひばちや、やすつぽいいろをした眞鍮しんちゆう藥鑵やくわんや、ふるびたながしのそばかれたあたらしぎる手桶てをけながめて、かどた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さうだらうとも、五匁玉半分煙にして、空茶からちや藥罐やくわんで三杯もあけるのは、容易なことぢやあるめえと思つて居たよ。そんなに言ひにくいところを
そして台所の附近まはりをうろ/\捜し廻つてゐたが、お茶が入れてないのを見ると、急にむつかしい顔をして薬鑵やくわんの湯を台所一杯にぶちけて引き揚げて往つた。
「さうか。ぢや其の薬罐やくわんにさめた湯がある筈だ。」
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
薬盌やくわんへ熱いのを注ぎ、彼女はそれをささげて、すぐとなりの病間へそっと立って行った。ぬるい病臭が灯かげをたちこめ、枕の人は、何も知らぬらしくよく寝入っていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道のつかれもわすれてうれしくもと横座よこざに皈りし(ゐろりはよこを上座とするは田舎のならひなり)に、こゝには銅鑵やくわんもありしとて、用意の茶を従者ずさが煮たるをのみ
さすりながら其こゝろざしはうれしけれど如何いかに年貢の金に差閊さしつかへたりとて其方達そのはうたち浮川竹うきかはたけしづめんとは思ひもよらずと十兵衞は妻お安の泣居なきゐるをはげまし餘り苦心くしんをするとよき工夫くふうの付ぬ物なりと自在鍵じざいかぎより鑵子やくわん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)