“とか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トカ
語句割合
47.7%
11.4%
9.1%
都下6.8%
兎角4.5%
4.5%
2.3%
渡河2.3%
溶解2.3%
2.3%
2.3%
説明2.3%
2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夏は氷盤ひょうばんいちごを盛って、あまき血を、クリームの白きなかにとかし込むところにある。あるときは熱帯の奇蘭きらんを見よがしに匂わする温室にある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
国銅を尽して象をとかし、大山を削りて以て堂を構へ、広く法界ほつかいに及ぼして朕が智識ちしきとなす、つひに同じく利益りやくかうむりて共に菩提ぼだいを致さしめん、れ天下の富をつ者は朕なり
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
家内の者より初めて承まはり實に驚き入しゆゑ早速くやみに參らんと存じ旅行りよかうまゝ草鞋わらぢとか空腹くうふくに付食事を致し居り候所へ御捕方とりかたの人々參られ御召捕に相なりし次第にて勿々なか/\人を殺し金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そして知っている人ならば、誰でもこれがいま都下とかに名高い覆面探偵青竜王だと云い当てたろう。ああ、青竜王は殺されたのだ。なぜこんな地底でムザムザと殺されてしまったのだろう。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
兎角とかうする間に、一人居の物淋しき暇々ひまひま、沈み行く心いかにか引きかへさめと、足弱机ひきよせて旅硯呑みさしの茶にり、料紙の小半紙しわのべて、心ともなく筆を染めける小詩の二つ三つ
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
周末戦国の時宋王が屈原くつげんを招魂する辞に、魂よ帰り来れ、東方には高さ千仭せんじんの長人ありて、人の魂をのみ食わんともとむ、また十日代る代る出て金を流し石をとかす、魂往かば必ずけん
象牙をもあざむく色白の額ぎわで巾の狭い緋の抹額もこうを締めていたが、その下から美しい鶉色うずらいろで、しかも白く光る濃い頭髪を叮嚀にとかしたのがこぼれでて、二ツの半円を描いて、左右に別れていた。
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
が、十二月十三日の決死の渡河とかは成功して、ついに、敵の堅陣をけちらし、十六日には、長駆ちょうく、もう武蔵野の西を駈けつつ
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と肺肝を絞る熱涙滴然、もって人類の石心をやわらぐべく鉄腸を溶解とかすべし。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゆふべの風にさきだちてすだれを越え来るものは、ひぐらしの声、寂々として心神をとかす、之を聴く時おのづから山あり、自から水あり。家にありて自から景致の裡にあり。
客居偶録 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
近江さんに案内して頂いて自分達はイザル川を横ぎり森の中を雨に濡れながら歩いた。川は石灰いしばひとかした様に真白まつしろな流れがげきして居た。森には種種いろ/\が鮮かに黄ばんで居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
聞けば病中の有樣の亂暴狼藉、あばれ次第にあばれ、狂ひ放題くるひて、今も額に殘るおそよが向ふ疵は、我が投げつけし湯呑の痕と説明とかれて、微塵みぢん立腹氣もなき笑顏氣の毒に
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ほとんど口もききえぬくらい、烈しい感情が胸をとかしているもののごとく、手真似でこちらの方へついて来て欲しいと言わんばかりの身振りをして、庭の向うを指さしているのであります。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)