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そのおと
ふりがな文庫
“そのおと”の漢字の書き方と例文
語句
割合
其音
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其音
(逆引き)
神楽坂へかゝると、ある商店で大きな蓄音器を吹かしてゐた。
其音
(
そのおと
)
が甚しく
金属
(
きんぞく
)
性の刺激を帯びてゐて、大いに代助の
頭
(
あたま
)
に
応
(
こた
)
へた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
雨
(
あめ
)
か
不知
(
しら
)
、
時
(
とき
)
しも
秋
(
あき
)
のはじめなり、
洋燈
(
ランプ
)
に
油
(
あぶら
)
をさす
折
(
をり
)
に
覗
(
のぞ
)
いた
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
空
(
そら
)
の
模樣
(
もやう
)
では、
今夜
(
こんや
)
は
眞晝
(
まひる
)
の
樣
(
やう
)
な
月夜
(
つきよ
)
でなければならないがと
思
(
おも
)
ふ
内
(
うち
)
も
猶
(
なほ
)
其音
(
そのおと
)
は
絶
(
た
)
えず
聞
(
きこ
)
える。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
その
)
うち
年
(
とし
)
が
段々
(
だん/\
)
片寄
(
かたよ
)
つて、
夜
(
よる
)
が
世界
(
せかい
)
の
三分
(
さんぶん
)
の
二
(
に
)
を
領
(
りやう
)
する
樣
(
やう
)
に
押
(
お
)
し
詰
(
つま
)
つて
來
(
き
)
た。
風
(
かぜ
)
が
毎日
(
まいにち
)
吹
(
ふ
)
いた。
其音
(
そのおと
)
を
聞
(
き
)
いてゐる
丈
(
だけ
)
でも、
生活
(
ライフ
)
に
陰氣
(
いんき
)
な
響
(
ひゞき
)
を
與
(
あた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
所が
其音
(
そのおと
)
が
何時
(
いつ
)
かりん/\といふ虫の
音
(
ね
)
に変つて、奇麗な玄関の
傍
(
わき
)
の
植込
(
うゑご
)
みの奥で鳴いてゐる様になつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其音
(
そのおと
)
を
聞
(
き
)
きながら、つい、うと/\する
間
(
ま
)
に、凡ての
外
(
ほか
)
の意識は、全く
暗窖
(
あんこう
)
の
裡
(
うち
)
に
降下
(
こうか
)
した。が、たゞ独り
夜
(
よる
)
を
縫
(
ぬ
)
ふミシンの
針
(
はり
)
丈が
刻
(
きざ
)
み足に
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
断
(
た
)
えず
通
(
とほ
)
つてゐた事を自覚してゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其時
(
そのとき
)
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
の
柱時計
(
はしらどけい
)
が二
時
(
じ
)
を
打
(
う
)
つた。
其音
(
そのおと
)
で
二人
(
ふたり
)
とも
一寸
(
ちよつと
)
言葉
(
ことば
)
を
途切
(
とぎ
)
らして、
默
(
だま
)
つて
見
(
み
)
ると、
夜
(
よ
)
は
更
(
さら
)
に
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つた
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
はれた。
二人
(
ふたり
)
は
眼
(
め
)
が
冴
(
さ
)
えて、すぐ
寐付
(
ねつ
)
かれさうにもなかつた。
御米
(
およね
)
が
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
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