“せいえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
凄艶57.7%
凄婉9.9%
声援8.5%
清艶7.0%
青煙2.8%
凄焉1.4%
勢焔1.4%
悽艶1.4%
清婉1.4%
盛宴1.4%
省垣1.4%
青烟1.4%
青焔1.4%
青熖1.4%
靖遠1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自動車の中には、中腰になって、洋装の凄艶せいえんなマダムとも令嬢とも判別しがたい美女が乗っていた。しかしなんという真青まっさおな顔だ。
人造人間事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
死を決した岡柳秀子は、その凄婉せいえんな眼を閉じて、氷よりも冷たい黒鉄くろがねの金庫の扉に裸体をもたれました。
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
五万の群集は熱狂ねっきょう的な声援せいえんを送ったが、時すでおそく、一艇身半をへだてて伊太利は決勝線にんだ。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
この菜の花の平野に囲まれた清艶せいえんな小都市に、復一は滞在たいざいして、いろいろ専門学上の参考になる実地の経験を得たが、特に彼の心に響いたものは
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
はじめて瞭乎りやうこたり、てんじて北方を俯視ふしすれば、越後の大部岩代の一部脚下にあつまり、陸地のくる所青煙せいえん一抹、とほく日本海をながむ、たたうらむむらくは佐渡の孤島ことう雲煙をふて躰をあらはさざりしを
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
小坊主は凄焉せいえんたる声で、こんなことを言い出しました。さきほどから聞いていれば、この小坊主の言うことが、いちいち癪にさわらないではない。お銀様も今の言葉を幾分か不快に思ったらしく
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かえってますます炎々の勢焔せいえんを加うるに過ぎざるべし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
のどやかな朝の空気の中にぽっかりと、葉子という世にもまれなほど悽艶せいえんな一つの存在を浮き出さしていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
死に徹するまで、郷土の清婉せいえんなる風景を護るわが国民である。それが、日本の伝統だ。わが伝統は、国民を清からしめた。我々は、無言の間に、天命かけてわが美しき風景を護っているのである。
わが童心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
まもなく市民は大会を開いて、十五少年推奨すいしょう盛宴せいえんを張った。そのとき市長ウィルソン氏の演説大要は左のごとくであった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
と、なつかしげに禁門省垣せいえんの面影を偲びながら、半日もさまよい歩かれた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卓上の銀燭ぎんしょく青烟せいえんき、垂幕すいばくの金糸銀糸は鈍く光って、寝台には赤い小さな机が置かれ、その上に美酒佳肴かこうがならべられて、数刻前から客を待ち顔である。
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
青焔せいえんに揺れる大海原が瑠璃色るりいろの空と続くあたりは、金粉を交えた水蒸気にぼかされて白く霞んで見えた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
口あけば大青蜥蜴舌ほそくせん々として青熖せいえんはし
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
ひときわすぐれて目立ちたる定遠ていえん鎮遠ちんえん相連あいならんで中軍を固め、経遠けいえん至遠しえん広甲こうこう済遠さいえんは左翼、来遠らいえん靖遠せいえん超勇ちょうゆう揚威よういは右翼を固む。西に当たってさらにけぶりの見ゆるは、平遠へいえん広丙こうへい鎮東ちんとう鎮南ちんなん及び六隻の水雷艇なり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)