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すうはい
しかしてゲーテ
崇拝の念の増すのは、さきの某文士の
言によれば、あるいは
自ら
俗化して理想の
光明が
追々に
薄らぐの
譏りを受けるかも知れぬ。
驚くべき
濫費だ。私はこの男の計り知れざる財力に一種の
崇拝を感じた。不思議なもので、こんな時には、
嫉妬の念よりも、崇拝の念が先におこるものだ。
ところが
自分は
志村を
崇拜しない、
今に
見ろといふ
意氣込で
頻りと
勵げんで
居た。
技術の
巧拙は
問ふ
處でない、
掲げて
以て
衆人の
展覽に
供すべき
製作としては、いかに
我慢強い
自分も
自分の
方が
佳いとは
言へなかつた。さなきだに
志村崇拜の
連中は、これを
見て
歡呼して
居る。