“きちがひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キチガヒ
語句割合
狂人44.4%
狂氣13.9%
狂気8.3%
気狂6.9%
気違4.2%
氣狂4.2%
氣違2.8%
狂漢2.8%
狂者2.8%
発狂1.4%
1.4%
狂亂1.4%
狂気者1.4%
瘋癲1.4%
発狂漢1.4%
白痴1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうしたつてんだね、お前さん方は、狂人きちがひのやうに駈け出したりして?」と、その時、入口へ入つて来たチューブが声をかけた。
ジエィン——いつぞや私に刄向かつて來たときの、あの狂氣きちがひじみた怒り方を。世界中で一番惡い人間だと私を嫌つたあの口調を。
あんたみたいな狂気きちがひ女ででもなけれあ、どうして首を縊つたりなんぞ出来るものか! あのひとは身投げをしたのさ! 氷の穴から身を
いそがしきシネマトグラフの中なれば、誰とわかねど突拍子とつぺしもなく現はれて気狂きちがひのごと
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
りませう。誰がこんな気違きちがひにはすつたのです。私気が違つてゐるなら、今朝から変に成つたので御座いますよ。お宅にあがつて気が違つたのですから、元の正気になほしてお還し下さいまし
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼女はまた「御隱居さまも狩獵かりには氣狂きちがひでゐらしたし、畑のことなぞもなすつて、別にこれと云つて此處らの旦那衆と違つたことはなさらなかつた。」
始め與力同心打驚うちおどろき是は慮外りよぐわいなり御出馬さき殊にくつわへ取り付とはそも氣違きちがひ亂心らんしんか女め其處そこはなしをれ不禮に及ばは切り捨るぞ大膽不敵も程こそあれ退しされ/\と大音にしかりながらにすがる手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其声それよりでかき声をいだして馬鹿めと罵りながら爲右衞門づか/\と立出で、僮僕をとこども此狂漢きちがひを門外に引き出せ、騒〻しきを嫌ひたまふ上人様に知れなば、我等が此奴のために叱らるべしとの下知
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
……ふさぎの虫がクスクス笑ふ……狂者きちがひ、狂者、まるで汝は狂者だ、うして居る中にも頓狂な発作の陰謀たくらみが恐ろしい心のどん底から可笑をかしいほどはしやぎ出す
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
娘ははやく見たく物をしかけたるをもうちおきてひらき見れば、いかにしてかぜにほどなるすゝいろのしみあるをみて、かゝさまいかにせんかなしやとてちゞみかほにあてゝ哭倒なきたふれけるが、これより発狂きちがひとなり
○ 織婦はたおりをんな発狂きちがひ
差向ひに椅子に腰掛けたは運動場近くにある窓のところで、庭球テニスきちがひの銀之助なぞが呼び騒ぐ声も、玻璃ガラスに響いて面白さうに聞えたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さだめてくさりかけてゐるであらうし、また眞夜中まよなか幾時いくときかは幽靈いうれいるといふ……えゝ、どうしょう、めたら?……いやらしいそのにほひと、けば必然きっと狂亂きちがひになるといふあの曼陀羅華まんだらげびくやうな
狂気者きちがひよ、人き殺せ。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
嬢様も好い加減に思切らせないと這般かういふ奴が瘋癲きちがひになるのだと思召して、其次来た時に断然きつぱりと、世間が煩さう厶いますから当分お尋ねはお断り申します
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
嗚呼弟とは辛いものぢやと、路も見分かで屈托のまなこなんだに曇りつゝ、とぼ/\として何一ツ愉快たのしみもなき我家の方に、糸で曳かるゝ木偶でくのやうに我を忘れて行く途中、此馬鹿野郎発狂漢きちがひ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
然し何うも、郡視学も郡視学ではありませんか? ××さんにそんな莫迦な事のあらう筈のない事は、いやしくも瘋癲ばか白痴きちがひでない限り、何人なにびとの目も一致するところです。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)