“いはれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イハレ
語句割合
理由20.5%
所謂11.4%
11.4%
由縁9.1%
磐余4.5%
原因4.5%
因縁4.5%
所以4.5%
所由4.5%
由緒4.5%
石寸4.5%
伊波禮2.3%
事由2.3%
伝説2.3%
所因2.3%
所縁2.3%
所説2.3%
道理2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何でも恋愛咄で暗に自分と嬢様の関係に擬したものださうだ。加之しかも其著作した理由いはれ因縁を仄めかして持つて来たから嬢様も呆れてお了ひなすつた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
後家ごけ安より其方へ頼むべき所謂いはれなきにより金子は勿論もちろん安に渡すわけなし全く小夜衣が申立る通り其方と三次と申合せ姉にあはしてるといつはりて連出し身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仰せらるゝ者かな往古むかしは昔し今は今なり一旦貴殿にめぐみし金子を如何に某しかく零落れいらくして一錢二錢の袖乞そでごひをなせばとて今更受取り申べきいはれなし貴殿が昔の恩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かたちだけはまいりもせんこヽろ容易たやすくたてまつりがたしとつたたまへと、こともなくひてきいれる景色けしきのなきに、おたみいひ甲斐がひなしと斷念だんねんしてれよりはまたすヽめずとぞ、經机きようづくゑ由縁いはれかくのごとし。
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ももつた磐余いはれいけかも今日けふのみてや雲隠くもがくりなむ 〔巻三・四一六〕 大津皇子
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
其れは戀と名付くべきものでは無いと云ふやうな斷定が、何時となく原因いはれなく、私の若い十六歳の胸の中にうごかしがたく形造かたちづくられて居たのである。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
實は、そのあとで酒を飮む爲めに、日頃素振の氣に食わぬ若い娘を海に入れる爲めに——其前の因縁いはれありげな儀式として彼等はこれらの海神の祠を拜するに過ぎないのだ。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
又打つてかゝつて来たからといふのも一の所以いはれか知らぬが、常陸介を生捕り国庁を荒し、掠奪焚焼りやくだつふんせうを敢てし、言はず語らず一国を掌握しやうあくしたのは、相馬小次郎も図に乗つてあばれ過ぎた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そのついでに自然と娘の猿を可愛がる所由いはれも御耳にはいつたのでございませう。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
敬慕の表情を満面に輝かし乍ら、帰省の由緒いはれを物語るのは、丑松。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
石寸いはれ、忍坂、長谷、畝火、耳無と御名は申して遠山近山に生ひ立てる大木小木を、本末打切りて持参来もちまゐきて、皇御孫ノ命の瑞の御舎に仕へ奉りて、天の御蔭、日の御蔭と、隠り坐して、四方の国を
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
御子、白髮しらが大倭根子おほやまとねこの命伊波禮いはれ甕栗みかくりの宮にましまして、天の下治らしめしき。
みこ伊耶本和氣いざほわけの王伊波禮いはれ若櫻わかざくらの宮にましまして、天の下治らしめしき。
聖書汝等の上にあらずば、げに我とともに事を究めんとつとむる者にいたく疑ふの事由いはれはあらむ 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
或る長老の言葉に依ると、斯んな伝説いはれがある由だつた。
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
それ故彼が他人の陳述を聞いて居て、堪へ切れずに泣いた所因いはれを、若い弁護人はすぐに悟ることが出来た。「何という惨ましい事であらう。」
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
一四六さる由縁ゆゑ有りて人のさせしを、兄の見とがめてかくのたまふなり。父、何の一四七ほまれありてさる宝をば人のくれたるぞ。一四八更におぼつかなき事。只今所縁いはれかたり出でよとののしる。
雖然けれども襦袢じゆばんばかりに羽織はおりけてたびをすべき所説いはれはない。……駈落かけおちおもふ、が、頭巾づきんかぶらぬ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『不浄だとは何だ』と丑松は心に憤つて、蔭ながらあの大日向の不幸ふしあはせを憐んだり、道理いはれのないこの非人扱ひをなげいたりして、穢多の種族の悲惨な運命を思ひつゞけた——丑松もまた穢多なのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)